唯一嫌いなデブ

恥の多い生涯を送って来ました



さて、今週のお題「人生最大のピンチ」に挑みたいと思いますが、
本当に「最大のピンチ」など、ここでは到底書けません。


しかし、人生そこそこ生きてきますと、冒頭の『人間失格』の葉蔵のように、
「恥」と言うか、プチ「ピンチ」と言うか、
そのようなものには多々巡り合ってまいりました。
今回はその一つについてお話させいただきたいと思います。


注意
ここからは皆さまのお気分を悪くさせる描写があるかもしれませんので、
・お食事中の方
・これから食事を取られる方
・心臓の弱い方(←ん?これは関係ないか・・・。)
はご遠慮なされた方がよいかと存じます。




いいですか?


警告しましたからね!!





さて、では心おきなく始めさせていただきます。
(↑ 相変わらず「前置き」なげぇ〜な〜・・・)





あれは忘れもしないン年前の8月のことです。
それは色んな学校の人達が集まって、ある研修を受けるために
アメリカへ行く飛行機の中で起こった出来事でございます。


その飛行機はサービスの評判が悪いと悪名高い○Wだったので、
それだけで、若干テンションは下がっていました。
しかし、私を不幸のどん底に陥れたのは、
私の隣に座ったたけし軍団の(古っ!)
グレート義太夫に激似のアノヤロー(注:女です)
に他ならない!!


私は自分で言うのも何なんですが、初対面でそんなに人のことを嫌ったりしないんです。
しかし、彼女は私の想像を遥かに超えるいけすかない奴だったのです。



まず自己紹介の時から、自分の出身大学の自慢をし、
その中でも如何に自分が優秀かを述べるという離れ業をやってのけ、
皆を氷点下40度の世界に誘っておりました。


そんな義太夫(以下そう呼びます)が飛行機の席の隣と知った時、
ただでさえ、あまり楽しみを期待できない○Wなのに、
「隣が義太夫なんて、神様の意地悪・・・」
とすねながら飛行機に乗り込みました。


案の定、義太夫は私の隣に座ると、自己紹介の延長で


「私の大学、こ〜んな偉いの〜、大変なの〜。
 その中でも私は〜に選ばれてるのよ、すごいでしょ?フフフ・・・」


と延々話し続け、


「あなたみたいな頭の悪い三流大学出身には分からないと思うけど?」


みたいな事も平気で言った時には


いくら元来「デブ好き」の私もさすがにプチッと切れ、


うるせぇ〜、デブ!! 

 てめぇ、ぜってぇモテねぇ〜だろ!!」
(・・・ま、私もモテませんがね・・・。)


と心の中で叫び、見えないところで「中指」を立て、


「へぇ〜すごいですね〜。そんなに勉強忙しかったら、
 運動する暇もぜっんぜんないですよね〜。うふふ。」


と一応イヤミを言ってやりました。
義太夫は気づいておらず、


「まあね。」


とか何とかぬかしておりました。チッ。


いつまでたっても義太夫の自慢話が終わらないので、


「すみません、私眠くなったので、少し寝ます。」


と言って話を切り上げました。




さて、そんなしばらくの平穏なひと時を破ったのが
「お食事」タイムでした。
私は仕方なく起き、機内食を食べようとしたら、
義太夫


「いや〜、何これ?私、こんな不味そうなの食べらんない!」


とか何とか機内食に一々ケチをつけ始めたのです。
そりゃ、○Wの機内食は不味くて有名ですが、
それを皆が食べてる横でギャースカ言われたら
食べる気失くすっつうの!!マジ空気読めない奴だ!!
お前こそ、ほんとのKYだ!!



私はもう相手したくなかったので、無視して食べていたら、
義太夫は文句言ってた割には
お腹が空いてのか、全部ペロっと平らげてしまいました。


ど、どっちやねん!!



さあ、食事が終わってコーヒータイムも終わってしばらくした頃です。
義太夫が急に


「私、気持ち悪い・・・。」


と呟きました。
見ると、義太夫の顔は真っ青
さすがに私も心配になって、


「大丈夫?何か薬飲む?」



と言いながら、背中をさすったりしていました。
すると彼女は小さく「うっ」と言うと、
私の方に向かって、



ゲロゲロ


ゲロ〜〜!!



と吐いたではありませんか!!
私の身体に全部、しかも大量に!!
どんだけ食ってたんだ・・・。


そして、見たくもないけど、先程食べた機内食の蕎麦が消化もされず、
ご丁寧に原型をとどめて私の膝の上に・・・。(←ちゃんと噛めっ)
私はあまりの突然のことに言葉も出ず、しばらく放心しておりましたが、
ゲロ特有の臭さと、生温かさと、重さで正気に戻り、
優しい(?)私は


義太夫さん、大丈夫?」


と声をかけました。
すると、

「私、もうダメ・・・。」


とほとんど気を失いかけんばかりの様子でしたが、
義太夫の服を見ると、

ぬわ〜んと、ま・さ・かの全くの無傷・・・。
シミ一つ飛んでおりません。


こ、こいつ、わざとちゃうやろなっ!!



私が怒りでこめかみをヒクつかせていると、やっとのCA登場。
助けてくれるのかと思いきや、私を見てCA一言。


「Oh!!stink!(訳:まあ、くさい!)」(そして後ずさり。)


・・・・。


ええ加減にさらせ!!
それでもプロのCAかっ!!
これだから、○Wは!!
ANAのCAさんなら、笑顔で対処してくれるぞ!!


まあと言いつつ、CAさんは一応私の服に大量にあった汚物を
手掴みでゴミ袋に入れてくれ、また、床も少しだけ
(だって、ほとんど私の服の上なんで)
清掃してくれました。




で、それからどうしたかと言うと・・・。
私は何か服を貸してくれるのかと期待して待っていたのですが、
そんな事は一切無く、一人寂しく、あのせっまい飛行機のトイレで
ゲロまみれの服を着たまま洗い、
濡れたまま(しかも超クサイ!!)アメリカ到着まで
8時間あまりも着るはめになりました。


私は臭さのあまり、それから一睡もできず、
しかもそれからの食事も食欲がわかず、


ゲロ=自分


みたいな同一化の図式が頭の中をぐるぐる回っておりました。


その間、義太夫は「私、まだ気持ち悪いの」と言ったまま、
ず〜〜〜っと寝続け、
(しかも「臭い」のか、向こうを向いたまま・・・。
 言っとくが、君のゲロの匂いだ!!)
アメリカに着いたら、何事も無かったかのように、
一人でさっさと降りて行きました・・・。
「ありがとう」も「ごめんなさい」も一切ありませんでした・・・。
マジ信じられねっし!!


到着してから他のメンバーの人に


「大変だったね」
「大丈夫?」


とか色々言ってもらったけど、
「でも、やっぱ臭いよね・・・」
と皆、異臭をまき散らす私にあまり近づいてはくれませんでした・・・。


結局、到着ロビーでトランクを受け取ると、
即効トイレで服を着替え、落ち着きを取り戻した私でしたが、
研修生活の始めがとんだ幕開けになったもんだと、ブルーを通り越して
ブラックになったことを覚えています。


ちなみに、研修中しばらくは私は

「ゲロまみれの女」

と噂されておりました。全く嬉しくない命名だ。



しっかし、あの義太夫ヤロー、今、どこで何してるんだろう?
なんぼ頭が良いかどうか知らんけど、
あんな「人間的にどうよ?」みたいな奴が
先生やってるのかと思うと、本当泣けてきます。
お前みたいなやつが教師の株を下げてるんじゃ〜〜。
恥を知れっ、恥を!!







・・・・・・。

今回は真面目に書こうと試みたのですが、書き終わってみると、
やっぱりいつものただの「ぼやき」になっていました。


「恥の多い生涯を送って来ました・・・」


と言う訳で、私の人生、こんなんのてんこ盛りですわ。


ちょっと「ピンチ」とは話題ずれていましたね。