[今週のお題]甘酸っぱい想い出

トゥス オホス ソン マス ボニトス ケ ラス エステレリャス。


いきなり何かの呪文だと思われた方、
はたまた一目見ただけで、これが何であるか分かった方も
いらっしゃるかもしれません。


これはスペイン語


「あなたの瞳は星よりも美しい。」



という意味なんですが、
それを私が聞いたままを必死でカタカナで書きとったものなんです。
もしかしたら間違っているかもしれませんが、
それはそれで、当時の私にはこれが精一杯の聞き取りだったと
ご理解下さい。




さて、遅ればせながら私も
今週のお題
「甘酸っぱい想い出」
について書かせていただきたいと思います。
しかし、昔話をただダッラダラ長〜く書くだけなんで、
面白くも何ともありませんが、
「しょ〜がねぇから読んでやるか〜」
という人だけ、ご一読いただけたら幸いでございます。
(↑ ごちゃごちゃと「前置き」なげぇんだよ!! はよ書けっ!!)




それは私が高校一年生の夏、イギリスにホームステイした時のことです。
当時私は英語の「え」の字も出来なかったのですが、
何だか分からないけど、どこからかパンフレットを見つけてきて
「どうしても行きたい!!」
と親に駄々をこねて無理やり行かせてもらったのです。




そんな


「This is a pen.」


ぐらいしか分からん奴が行ったんですから、
ホストファミリーとも全く会話が通じません。
で、そのホストファミリーはそれを専門に職業としている家だったので、
(イギリスはそのような家が多いんです)
同じ位の歳の他の国の留学生も何人かいたんですね。


他のヨーロッパ軍勢の若者は仲良さそうに、ホストファミリーとも
他の留学生たちとも「英語」で「異文化コミュニケーション」を
取っていた訳なんですが、
当然私はそんな輪にも入れず、食事の時も一言も口を聞かず、
ただただ不味いポテト料理を食べていました。




多分そんな日が4日ぐらい過ぎた頃でしょうか、
彼が私のホストファミリーの家にやってきました。


彼の名は「ホセ(仮名)」。


まだあどけなさが残るスペイン人の男の子でした。
歳は私より3つ下だったので、当時12歳か13歳だったのでしょう。


私がサマースクールから帰ってきて、
庭ですることもなくぼーっと佇んでいたら、
ホセがやってきて私の横にちょこんと座りました。



ホセ「何してるの?」
私 「別に・・・。」
ホセ「きみ、僕と同じクラスだよね?」
私 「・・・わからない。」



恐らくこんな会話だったと思います。
ホセとは同レベルの英語の出来なささ、
そしてクラスも同じということもあってすぐに仲良しになりました。
今考えるに、
ホセのラテン系の血と、私の関西人の気質
合っていたのではないかと思います。
仲良くと言っても、私達、英語ほとんど話せませんから、
お互いに辞書を持ちつつ、
日本語とスペイン語


隠語(要は下ネタです・・・。)」


をノートに書きあったりして、
(その内容はお上品な皆様にはとてもお見せできません!!)
喜んでいたという、何とも中学(小学?)男子のようなノリで、
色っぽいことは全くもってありませんでしたが、
それが楽しくって、夏休みの間中、一日中ホセと遊んでぱっかりいました。


ホセに一番よく言われた言葉


「Hey! Japanese crazy girl!!」


・・・。
う〜ん、今とさして変わらんな、アタシ。



そういえば、何時間もずーっと、

The Japanese Bon dance
(↑ ただの「盆踊り」です・・・。)


ただひたすら二人して踊っていたこともありました。



そんな中で、お互いの国の
「女性を落とすにはどんな決め台詞が有効か?」
みたいな話になって、冒頭の台詞を教えてもらったのです。


・・・て言うか、私、女なんですけど・・・。
これ、メモって、私にどうせぇっちゅうねん。
それに、


「君の瞳は星より美しい・・・。」


こんな陳腐な口説き文句で、女性を落とせると思っているところが
発想が貧困すぎて何とも言えませんな・・・。



このように、楽しい時間があっと言う間に過ぎまして、
ホセとのお別れの日がやってきました。

ホセの方が私よりも早く国に帰ることになっていて、
ホセとお別れの挨拶をしようと、玄関に見送りに出ていました。


「ホセ、元気でね。楽しかったよ。」
と私が言うと、
ホセはウルウルした目で私を見て、



「I miss you so much.」




と言い、ガバっと私を抱きしめたのです!!




まあ、冷静に考えると、外国人、しかもラテン系の人なので、
親しい人を抱きしめることなんて日常茶飯事の事で、
大したことじゃないのは分かっていることなんですが、
その当時の私は、鉄壁のガードを持つ


「アイアム ア ジャパニ〜〜〜〜ズ ガール」


で、男子とフォークダンスぐらいしか手をつないだことないのに、
しかも、私、背が高かったから、よく男子パート踊らされていたという
悲しい過去の持ち主なのに、



う、嘘やろ〜〜〜〜〜!!


と、硬直状態でおりましたら、
な、何と、ホセはこともあろうに



私のほっぺにチューしたのです!!






・・・・・・・。
はい、思考停止状態ですよ。
完全にキャパオーバーっす。


そんな私に追い打ちをかけるように、ホセは


「Kiss me, please.」


ときやがった!!


な、なにぃ〜、ほっぺにチュー返しだとぉ!!
そんな破廉恥な事、ワタクシ、できませんわ!!


とか思いましたが、

「据え膳食わぬは、何とやらだ。
 ここで行かなきゃ、にっぽん女子がすたるゼ!!」


バンジージャンプから飛び降りる覚悟で
ホセのほっぺにチューしてやりましたわ。



そっからのことは、あんまり覚えていないんですが、
無事にホセはスペインに帰って行きましたとさ。




これを「恋話」と言えるのか、と言われれば、
ちょっと違うような気もしますが、
私にとっては、例えホッペであったとしても
初めてKissした「甘酸っぱい想い出」で
あることは間違いないと思います。
でも、きっと(否、絶対に)ホセは私を「女の子」とは見てなかったと
思いますけどね〜・・・。


ちなみに、
「私、もしかして、いけてんのちゃう?」
と調子こいて日本に帰ったら、
やはり「モテナイ」日々は続行中であった・・・。
おっかしぃ〜な〜・・・。



後日談として、ホセとは2年間ぐらい文通を続けて、
再会することになるんですが、
それはまた別のお話ということで・・・。



ああ、匿名とは言え、小っ恥ずかしい話を書いてしまいました・・・。
寒さで凍りついた方、申し訳ございません・・・。
これっきりなのでご容赦くださいませ。