「S君のこと」

S君は、ある日突然私たちの前から姿を消してしまった。
それこそ、何の前振りもなく・・・。


一応、学校宛てに


「一身上の事情につきまして、学校を去ることになりました。
 先生方には本当におせわになりました。
 本来なら、ご挨拶に伺うべきだとは思いますが、
 急なことにつき、メールにて失礼させていただきます。」


以上のようなメールが届いていた。



このメールでは詳しい事情はよくわからないが、
S君がもう学校に来ないということだけは理解できた。



本当にびっくりしたし、やっぱりちょっとショックだった。


S君とはまだ付き合いも浅く、
彼がどんな人物だったのか、実はいまいち把握していなかった。
ただ、
「イケメン」
であったことは確かである。(←結局、それか!!)
ああ、それから、笑うと
玉木宏のような、佐々木蔵之介のような笑い皺が
超キュートだった。
S君の笑顔は私の授業中の「癒し」であった。
ついでに、体格も良かった。(…外見ばっか・・・。)



学校で働いている限り、
「出会い」と「別れ」は日常的なもので、
特に「別れ」は、
どんなに来なければいいと願っていても、
必ずやってきて、
そして、受け入れなくてはならない。


私も教師になって、短くない時間を過ごしているので、
「別れ」に対しては多少免疫ができている。


とはいうものの、やっぱりこのような突然の別れは
悲しいものである。


それは、付き合いが短いか長いかに関わらず、
そして、どんな学生との「別れ」も
寂しくて、悲しいのである。




S君の友人より、
彼は今、北海道にいるらしいということを聞いた。
とりあえず、「カニ」が美味しいらしい・・・。
(↑そんな情報、いるかっっ!!)


うん、でも元気でやってくれていたら
それでいい。


ほんの少しであっても、
彼の人生に関われたことは素晴らしいことだと思う。


私は、きっとS君のことを忘れないだろう。
S君も、たま〜に、いや、いつの日か、
思い出してくれたらいいな、
この学校で過ごした日々のことを・・・。



♪眠れない夜は、君のせいだよ、オ〜ベイビー!!♪